[カラカス 8日 ロイター] - ベネズエラのロドリゲス副大統領は8日、国内の2─11歳の児童にキューバで開発された新型コロナウィルスワクチン「ソベラナ2」の接種を開始したと明らかにした。
キューバは、「ソベラナ2」のほか、同じく国内開発の「アブダラ」と「ソベラナプラス」の効果は90%以上としている。感染、重症化、死亡予防効果が他のワクチン同様に大きいと主張しているが、専門家による評価を受けていないと批判されている。
副大統領は国営テレビで、「ベネズエラでは、キューバのソベラナ2を2─11歳の児童に接種することが承認されている」とし、すでに免疫不全の児童へは接種が始まっていると述べた。同席したアルバラド保健相によると、国内の2─11歳の児童は概ね350万人。
国内の医学・科学の学術機関や小児科関連組合からは、キューバのワクチンの安全性や効果に関する論文が科学誌に掲載されておらず、独立した治験や世界保健機関(WHO)の承認など品質確認が行われていないとして、使用に懸念を表明している。
ベネズエラで使用されているワクチンの大半は、ワクチン共有の国際スキーム「COVAX(コバックス)」を通じて提供されたロシア製の「スプートニクV」や中国製。マドゥロ政権はワクチン接種率は人口の70%で、年内に90%に達する見通しとしているが、WHOの米州事務局である汎米保健機構(PAHO)は、接種率は32%との見解を示している。
ベネズエラで報告されているコロナ感染者は累計41万3135人、死者は4965人。