[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落した。南アフリカで確認された新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」の感染拡大が引き続き警戒された。日経平均は一時プラスに浮上したが、午後には再び軟調となって下げ幅を拡大した。為替が円高寄りに推移したことも重しとなった。
朝方の日本株は、前週末の米株急落を受けて下値を模索して始まった。米株先物が時間外取引で堅調に推移したほか、日本株は前週末に海外に先立って下落していたこともあって売り一巡後は前引けにかけて短期筋を中心に自律反発狙いの買い戻しが活発化し、一時プラスに浮上した。
ただ、後場は徐々に水準を切り下げる展開となり、朝方につけたきょうの安値を更新して下げ幅を拡大。一時、前日比564円50銭安の2万8187円12銭まで下落した。市場では「まだオミクロンの全体像がはっきりしたわけではない。関連報道に振らされやすく、ボラティリティーの高い状況はしばらく続きそうだ」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長)との声が聞かれた。
為替が円高寄りに推移し、自動車株はさえない動きとなった。空運や陸運、旅行関連などリオープン(経済再開)関連銘柄も総じて軟調。コロナ禍の影響を受けにくいとされる半導体関連は、朝方に総じて堅調だったが、午後には一角がマイナスに転じた。
TOPIXは1.84%安で取引を終了。東証1部の売買代金は3兆3942億9900万円だった。東証33業種では31業種が下落。下落率上位は、空運業、陸運業、繊維業、輸送用機器などが下落した一方、値上がりは海運業とその他製品の2業種だった。
JR東日本やANAホールディングス、エイチ・アイ・エスなどが下落。トヨタ自動車やソニーグループといった主力株も軟調だった。半導体関連は東京エレクトロンがマイナスとなった一方、アドバンテストやレーザーテックはプラスでまちまち。一方、日本郵船は堅調に推移し、任天堂もしっかりだった。
東証1部の騰落数は、値下がりが1989銘柄で全体の91%となった。値上がりは159銘柄、変わらずは32銘柄だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 28283.92 -467.70 28337.96 28,187.12─28,776.34
TOPIX 1948.48 -36.50 1954.99 1,944.95─1,978.82
東証出来高(万株) 153062.00 東証売買代金(億円) 33942.99