[ワシントン 5日 ロイター] - 米保健当局者は5日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が全米の約3分の1の州に拡大しているものの、国内の新規感染者数の大部分を依然としてデルタ株が占めていると述べた。
ロイターの集計によると、カリフォルニア、コロラド、コネチカット、ハワイ、ルイジアナ、メリーランド、マサチューセッツ、ミネソタ、ミズーリ、ネブラスカ、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニア、ユタ、ワシントン、ウィスコンシンの少なくとも16州でオミクロン株への感染が確認された。
感染者の多くはワクチン接種を終えており、症状は軽症。追加接種(ブースター接種)を受けたかどうかは一部の感染者で明らかになっていない。
米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長はABCの番組で、国内で数十人のオミクロン株感染が確認されており、今後さらに増える可能性が高いと述べた。ただ、国内の新規感染者の99.9%は依然としてデルタ株だとも強調した。
バイデン米大統領の首席医療顧問を務める国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はCNNで、新たな変異株の出現により世界中で警戒感が広がっているが、「現時点で重症化の度合いはそれほど高くないようだ」と指摘した。ただ、断定するのは時期尚早で、さらなる研究が必要だとの認識も示した。
ワクチンメーカーはオミクロン株に対応できるようワクチンの改良を急いでおり、米規制当局も迅速な審査を約束しているが、それでも数カ月かかる可能性がある。
CDCのワレンスキー所長は「米食品医薬品局(FDA)もCDCも迅速に対応する」と強調した。
モデルナは改良を加えたワクチンの米承認を早ければ3月にも取得することを目指しているが、同社幹部は5日、生産量を増やすには時間がかかるとの見方を示した。
同社の共同創業者で会長のヌーバー・アフェヤン氏はCNNで、重要なデータの収集にあと7─10日かかり、オミクロン株に特化したワクチンの展開にはさらに60─100日を要すると指摘。既存ワクチンの投与量を増やすといった選択肢も検討されていると述べた。