[シンガポール 10日 ロイター] - シンガポール保健省は9日夜、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」の市中感染者が初めて報告されたと発表した。今後さらに感染者が増える可能性があるとしている。
同省によると、空港でサービス業務に従事するシンガポール人女性(24)が、オミクロン株の感染が確認されている国からの乗り継ぎ客と接触した可能性があるという。
この女性は定期的な検査の初期結果でオミクロン株への陽性反応が出た。ワクチンを接種済みで無症状という。
このほか、ドイツからの渡航者1人もオミクロン株に陽性反応を示した。
同省は2人ともブースター(追加)接種を受けているとしている。現在、確認のためゲノム配列解析が進めれらている。
シンガポールではこれまでに3人のオミクロン株感染者が報告されていたが、いずれも海外からの渡航者だった。
保健省は「感染力の高さや多くの国に広がっていることを踏まえると、国境や市中でさらにオミクロン株の感染者が出てくる見込みだ」とした。
同国ではワクチン接種率が対象人口の96%に達しており、当局はオミクロン株を巡る懸念から国民にブースター接種を呼び掛けている。