[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米国の研究者は14日、同国が承認した新型コロナウイルスワクチン3種について、通常の接種回数では新たな変異株「オミクロン株」に対する感染予防効果が著しく低下するもようだが、追加接種(ブースター接種)で予防効果の大半を回復できそうだとする査読前の論文を発表した。
マサチューセッツ総合病院(MGH)とハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが行った実験室での研究で、モデルナ製とファイザー・独ビオンテック製ワクチンの2回接種と、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンの1回接種では、誘導される中和抗体の水準は「ゼロから低度」であることが分かった。
ただ、追加接種を受けた人の血液サンプルでは、オミクロン株に対する強い中和効果が確認された。
研究者はまた、オミクロン株は現在感染の主流であるデルタ株よりも約2倍の感染力を持ち、感染の主流が間もなくオミクロン株に置き換わる可能性を示唆した。
今回の結果は、最近公表されたそのほかの研究と一致する。英オックスフォード大学の研究者は13日、ファイザー製とアストラゼネカ製ワクチンの2回接種ではオミクロン株に対する十分な中和効果が誘導されないとの結果を発表している。
ビオンテックとファイザーは先週、実験室研究によって、3回目接種によるオミクロン株に対する中和効果を確認したが、2回接種では中和効果が著しく下がるとの結果を公表した。
モデルナとJ&Jは今のところオミクロン株に対するワクチン効果についてのデータを発表していない。