[ソウル 16日 ロイター] - 韓国当局は16日、新型コロナウイルスとの共存に向け、約1カ月半前に緩和した感染予防対策の社会的距離(ソーシャルディスタンス)規制を再び強化すると発表した。新規感染者や重症者の急増を受けた対応。
12月18日から1月2日まで、ワクチン接種者の集会を最大4人に制限するほか、レストラン、カフェ、バーの営業時間を午後9時、映画館、インターネットカフェは午後10時までとする。
ワクチン未接種者は一人で外食するか、持ち帰り・宅配サービスの利用に限られる。
金富謙首相は会議で「医療体制の強化やワクチン接種プログラム加速を通じて、危機克服に全力を尽くしているが、時間が必要だ」と指摘。「この危機を乗り越えるには強力なソーシャルディスタンス規制で、可能な限り早期に現在の感染拡大を食い止めるしかない」と述べた。
韓国疾病予防管理庁(KDCA)は、15日に確認された新規感染者が7622人だったと発表した。前日は7850人で過去最多を更新した。ワクチンを接種済みの人が感染するケースが増え続けている。
重症者も989人と過去最多を記録。集中治療室(ICU)の病床使用率はソウル首都圏で約87%、全国で約81%に達している。
韓国では成人の92%以上が接種を終えているが、先月の規制緩和以降、新規感染者は5倍近くに、重症者は3倍に急増している。
現在は事業の営業時間に制限は設けられておらず、個人的な集まりはワクチン接種の有無にかかわらず、ソウル広域圏で6人、その他の地域で8人までとなっている。外食する場合は、1人を除いて全員が接種を終えている必要がある。