[マドリード 17日 ロイター] - スペイン中央銀行は17日、今年の国内総生産(GDP)伸び率予想を9月に示した6.3%から4.5%に下方修正した。第4・四半期は、サプライチェーンの目詰まりやインフレ加速、新型コロナウイルス感染増加で景気回復のペースが鈍化している。
昨年は、過去最大の落ち込みとなるマイナス10.8%だった。
2022年には欧州連合(EU)の新型コロナ復興基金の恩恵が表れ始めるとみられ、GDP伸び率は5.4%に拡大するが、予想の5.9%は下回る見込みだ。
中銀のチーフエコノミスト、オスカル・アルセ氏は、生産がコロナ禍前の水準に戻るのは来年末か23年初めになるとの見方を示した。
さらに中銀は、オミクロン株のような新変異株が出現すればビジネスへの規制が強化される可能性があり、事態は非常に不透明と警告した。
第4・四半期のGDPは前期比1.6%増と、前期の2%増から鈍化した。
中銀は、「コスト上昇や供給障害が解消されないことで家計や企業の所得が圧迫され、経済活動が打撃を受けるとみられる」と指摘。ただ来年はこれらの要素が徐々に小さくなるとも予想した。
今年の予想修正は、スペイン国家統計局(NSI)が第2・四半期のGDPを当初の2.8%から1.1%に大幅下方修正するなど、四半期統計が相次ぎ下方修正されたことが反映された。