[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は21日、新型コロナウイルス対策の行動制限で国民を縛る体制から脱却する必要があると述べ、ロックダウン(都市封鎖)再導入の可能性を否定した。国内のコロナ新規感染者は連日、過去最多を更新している。
感染力が強いとされるオミクロン株が感染者急増の引き金となっている。ただ、モリソン氏は記者団に「政府の締め付けから脱却する必要があり、国民を大人として扱うべきだ」と強調。マスク着用や社会的距離の確保について義務化からのシフトを当局に呼び掛けた。
「われわれはロックダウンには戻らない。良識と責任を持ってこのウイルスと共存するために前に進む」と強調した。
パンデミック(世界的大流行)当初の迅速なロックダウンと厳格な行動制限でオーストラリアの累計感染者数は26万人程度と比較的低く抑えられているが、ワクチン接種率の上昇に伴い、過去数週間で行動制限の解除が進んだ。
ハント保健相はオミクロン株が急拡大しているが、入院者は「ごく一部にとどまっている」と強調。全体の入院者数は少しずつ増えているものの、デルタ株流行時を大幅に下回っているとした。
21日に報告されたコロナ新規感染者は約4600人で、先週末に付けた過去最高の約4100人を更新した。