[ニューヨーク 20日 ロイター] - ニューヨーク市など全米各地で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。米疾病対策センター(CDC)の20日の発表によると、12月18日までの1週間のデータでは、オミクロン株が米国内のコロナ感染者の73%を占めた。
テキサス州の保健当局は、オミクロン株に関連した初めての死者が州内で確認されたことを明らかにした。ABCニュースが20日に報じた。死亡したのは50代の男性で、ワクチンを接種しておらず、基礎疾患もあったという。
ニューヨーク、首都ワシントンなどの都市では、週末に新型コロナの検査を受ける人の行列ができた。ワシントンで検査を待っていた男性は「70歳になる妻の母に会うので自分が陰性であることを確認したい」と語った。
ワシントンでは屋内のマスク着用義務化が1月末まで再導入され、追加接種を含め、政府職員のワクチン接種も義務化された。
ニューヨーク市では新型コロナの感染が19日までの1週間で60%増加。オミクロン株の感染が急増しており、新規感染者は3日連続で過去最多を記録した。
アメリカ公衆衛生学会の幹部は「米国の他の地域でも近く同じようなことが起きる。ニューヨーク市はワクチン接種率が高いため、ワクチン接種率が低い地域では最低でもニューヨーク市と同じようなことが起きるだろう」と述べた。
ブロードウェイでも出演者の感染が確認され、ミュージカルの休演が相次いでいる。人気ミュージカル「ハミルトン」はクリスマス以降まで休演することを決めた。
ワクチン接種を完了した人の感染も増えている。追加接種を受けた人でも感染する例が出ているが、オミクロン株はワクチンを接種していれば比較的症状が軽いとみられている。
ニューヨーク市の保健当局は20日、新規感染が「急増」しているが、入院者数は感染者数ほど増えていないと指摘した。
ロイターの集計によると、全米では過去1週間で感染が9%増加。月初からは57%増加している。入院患者は月初から26%の増加となっている。
CDCによると、北東部、南東部、北西部ではオミクロン株が感染の90%以上を占めた。これは12月18日までの1週間のデータだが、前週はわずか3%前後だった。