[ロンドン 21日 ロイター] - 英国の2021/22年度(21年4月─22年3月)の11月まで8カ月間の公的部門借り入れは、新型コロナウイルス危機対応で財政支出が拡大した前年同期のほぼ半分に縮小した。
英国立統計局(ONS)が21日発表した4─11月の公的部門純借り入れ(国有銀行を除く)は1360億ポンド(1800億ドル)。前年同期から約1160億ポンド減少した。
ただコロナ禍前の2年前のほぼ3倍の規模。足元では再び感染が急拡大しており、政府は接客業などに再び支援策を講じる必要に迫られている。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ベサニー・ベケット氏は、オミクロン株の蔓延で行動規制が再強化される可能性があり、今後税収の減少や支援策の再導入で政府財政が悪化するとの見方を示した。
11月の公的部門純借り入れ(国有銀行を除く)は174億ポンドで、ロイターがまとめたエコノミストの平均予想(160億ポンド)を上回った。10月分は188億ポンドから124億ポンドに下方改定された。
20/21年度は、財政赤字が国内総生産(GDP)比15%と、第2次世界大戦以降、最大に膨らんだが、今年度はコロナ対応の支援措置の終了や、景気回復に伴う税収増加で赤字は縮小している。
4─11月の歳入は約15%増加した。
ただインフレの進行で借り入れコストは上昇。物価連動債を中心とする利払い費は54%増加し約430億ポンドとなった。
ONSは10月、11月の物価上昇が利払い費に反映されるのはこれからとしている。
11月末時点の公的債務は2兆3180億ポンドでGDP比96.1%だった。