[東京 22日 ロイター] - 後藤茂之厚生労働相は22日、大阪府が同日に公表した新型コロナウイルスのオミクロン株への感染事例について、4人のうち3人は海外渡航歴がなく、市中感染に該当するとの認識を示した。国内でオミクロン株の市中感染が確認されたのはこれが初めて。
後藤厚労相はこの3人について「現時点で感染経路が不明で、市中感染に該当する事例と受け止めている」とし、大阪府と国立感染症研究所が連携し、引き続き感染経路の把握に努めていくとした。
また、この3人以外については、感染経路の不明なオミクロン株感染者を確認していないため、市中感染に関して「全国的な面的広がりはない」と判断しているとした。
その上で、1)外国人の入国規制や空港検疫などで厳しい対応を柱にした厳しい水際対策は継続する、2)新たな陽性者全てに対して変異株PCR検査を実施するとともに、全ゲノム検査を実施する、3)オミクロン株の感染者が急拡大した場合にも対応できる医療提供体制を確保できるように都道府県に事務連絡を通達した、4)国民に基本的感染予防策の実施をお願いする──などと述べた。
また、すでに空港検疫などで85人のオミクロン陽性者が確認されており、水際対策は機能しているとの見解を示した。
大阪府の吉村洋文知事は22日午後、大阪府内で4人が新型コロナウイルスの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが判明し、うち3人が市中感染にあたると語った。
吉村知事は新型コロナ対策本部会議で、この3人は家族で海外渡航歴がなく、感染経路は不明と説明。症状は軽症で現在入院しており、濃厚接触者の確認を進めているという。吉村知事は「府内において他の場所でも発生している可能性は十分ある」として、府民に対して市中感染の可能性があるという前提で基本的な感染対策を徹底するよう呼びかけた。
*写真が正しく表示されなかったので再送します。