[シドニー 12日 ロイター] - オーストラリアで最も人口の多いニューサウスウェールズ(NSW)州では12日、新型コロナウイルスの死者が過去最多を記録した。
オミクロン株の流行で企業は人員不足に見舞われており、供給網が混乱。国内経済の回復が阻まれている。
企業では病欠や隔離による出勤停止が増加。航空、娯楽、接客業では顧客も減少している。
中小企業団体の幹部は放送局ABCに対し「(中小企業は)事実上ロックダウンの状態にある。支援が不足しており、事業を継続できない」と述べた。
同国では12日に報告された新規感染者が現時点で10万人前後に達しており、新たに42人が死亡した。NSW州の死者は過去最多の21人となった。
ANZはリポートで、人員不足と外出への警戒感から個人消費が低迷していると指摘。シドニーとメルボルンの1月初旬の個人消費はロックダウン期間に似た状況にあるとの見方を示した。
オーストラリア経済は、オミクロン株の流行が始まったクリスマス期間前は、予想以上に力強く回復していた。
スーパーマーケット大手のコールズ・グループは、供給制約を受けて、トイレットペーパー、一部の食肉製品、医薬品の購入制限を再導入した。