[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリアで人口が最も多いニューサウスウェールズ(NSW)州で21日に報告された新型コロナウイルス感染による死者は46人と、過去最多を更新した。一方、鉱物資源が豊富な西オーストラリア州は来月に予定していた他州との往来制限の解除を延期した。
NSW州の死者には乳児1人が含まれた。ビクトリア州の死者は20人だった。ただ、どちらの州も入院者数が減少しており、感染拡大はピークを越えた可能性がある。
西オーストラリア州を除く全ての州・準州はコロナとの共存を目指す政策の下で、州境の閉鎖を既に解除しており、西オーストラリア州も2月5日に解除する予定だった。
しかし、マーク・マッガーワン州首相は20日遅く、オミクロン変異株の急拡大を考慮すると閉鎖解除は「向こう見ずで無責任」な行為になると述べ、無期限に延期するか、少なくとも80%の住民が3回目のコロナワクチンを接種するまでは延期する考えを示した。現在の同比率は約26%。
西オーストラリア州の現在の感染者数は83人で、豪州全体の55万人に比べると非常に少ない。モリソン豪首相は州政府に閉鎖を解除し、コロナとの共存を目指すよう呼び掛けてきたため、西オーストラリア州の決定に反発するとみられる。