[香港 26日 ロイター] - 在香港の欧州商工会議所は、厳格な新型コロナウイルス対策により、香港の封鎖が解除されるのは2024年初めになる可能性があると指摘し、海外企業や外国人が香港から流出して金融ハブの魅力が低下する恐れがあるとの報告書案をまとめた。
中国製のワクチンは効果が限定的で、中国でmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンの接種が終わるまで香港の封鎖が解除されない可能性が高く、封鎖解除は23年終盤から24年初めになる可能性があるという。
この場合、香港では史上最大規模の外国人の流出が起き、中国部門の拠点を中国本土やシンガポール、ソウルなどに移す多国籍企業が増えるとみられる。
国際的な人材が流出すれば、世界クラスの大学を維持できる可能性が低下する恐れもあると指摘した。
香港でワクチン接種を2回受けた人は約70%と、シンガポールの91%を下回っている。香港では高齢者の大半がワクチンを接種していない。
商工会議所は「平均的なシナリオ」として、中国本土で感染拡大に歯止めが掛からず、香港が本土との境界を封鎖して本土以外の海外諸国との封鎖を解除するシナリオを挙げた。
また、香港で感染拡大に歯止めが掛からず、追加の制限措置が効果を発揮しないシナリオも挙げている。この場合、最大2万人の高齢者が亡くなる恐れがあるという。
商工会議所は香港政府に対し、ワクチン接種の加速や隔離期間の短縮を提言。隔離期間を21日間から7─14日間に短縮すれば、海外企業が歓迎するとの見方を示した。