[東京 28日 ロイター] - トヨタ自動車が2021年の世界新車販売でグループ(日野自動車とダイハツ工業含む)、トヨタ単体ともに首位となった。同社が28日発表した昨年の世界新車販売は、グループが1049万5548台と2年ぶりに1000万台を回復、単体は961万5157台で、いずれも前年から10%以上伸びた。
独フォルクスワーゲン(VW)が12日に発表した昨年実績は5%減の888万2000台だった。12日の時点で、トヨタは通年実績を公表していなかったが、昨年1─11月累計のグループ実績は956万台で、VWの通年をすでに上回ったため、2年連続首位が確実と報じられていた。トヨタの年間実績が公表されたことにより、両社に約161万台の差があったことが確認された。
トヨタの世界生産は、グループで9.4%増の1007万6246台。東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大による部品供給不足に苦しんだものの、半導体不足による影響を極力抑えた。
トヨタの広報は、世界販売首位となったことについて、「首位になることが目標ではない。引き続き安全と品質を最優先に、もっといい車づくりに取り組み、各地域でお客様に信頼していただけるその街一番の会社を目指す」と述べた。
トヨタ単体での世界販売961万5157台は過去2番目の多さだった。これまでの過去最高は19年の約971万4253台となっている。中国や米国が好調で、セダン「カムリ」などのハイブリッド車(HV)が堅調だった。HVを含む電動車の販売比率は、20年に米国が16%、中国が18%だったが、21年はいずれも25%台に上がっている。
単体の世界生産は8.5%増の858万3985台で、このうち国内は1.5%減の287万7962台だった。トヨタが雇用や技術の維持に必要とする300万台には2年連続で届かなかった。
22年もコロナの影響による部品不足は続いており、トヨタの1月の生産への影響は9万4000台に上る。1月に計画していた世界生産80万台レベルは達成が厳しい情勢だ。コロナの影響や半導体不足が「いつまで続くか想定するのは難しく、状況を注視する」(広報)。2月は少しでも挽回する予定で、計画の70万台から増える見込み。
併せて発表した昨年12月の世界販売はグループが5.5%減の93万3260台、単体が7.0%減の85万1241台といずれも4カ月連続で前年を下回った。コロナの影響などで部品不足が続き、生産が注文に追い付かなかった。世界生産は、グループが7.9%増の94万7992台、単体が6.0%増の80万1145台で、ともに12月として過去最高だった。
12月の世界生産では、トヨタのほか、部品不足の影響が前年と比べ緩和した三菱自動車が8.5%増と伸びたが、影響が続く乗用車5社が前年を下回った。日産自動車が23.6%減、ホンダが12.4%減、SUBARUが21.6%減、マツダが11.4%減、スズキが6.4%減だった。