[東京 28日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は、西太平洋地域事務局(マニラ)の葛西健事務局長が職員に対して人種差別的な発言をしたとされる問題について、調査を行っていることを明らかにした。葛西氏を巡っては、COVID─19(新型コロナウイルス感染症)ワクチンに関する機密データを日本側に漏らしたともされている。葛西氏は一連の疑惑を否定している。
WHOは27日、ロイターに送った文書で「疑惑の存在を認識しており、問題に対処するためあらゆる適切な措置を講じている」とした。
葛西氏は、WHOから提出された文書の中で、職員に厳しく接したことは認めたものの、人種差別や日本への機密情報提供は否定した。その上で、自身の管理手法や職場環境の改善を検討していると強調した。
ロイターは葛西氏に電子メールでコメントを求めているが、今のところ応答はない。
葛西氏がワクチン情報を日本に伝えていたとされる問題について日本の厚生労働省と外務省にコメントを求めたが、現時点で回答はない。