[北京 30日 ロイター] - 中国国家統計局が30日発表した1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と、前月の50.3から低下したものの、景況の拡大・悪化の分かれ目となる50を引き続き上回った。
新型コロナウイルスの感染再拡大や厳しいロックダウン(都市封鎖)が生産と需要の打撃となったが、わずかながらも景況が拡大したことで経済の底堅さを示した形だ。
アナリストはちょうど節目となる50まで低下すると予想していた。
上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「内需の低迷により産業活動が鈍化した」と指摘。「また、サービス部門も多くの都市で発生した感染拡大の影響を受けている」と述べた。
「弱いPMIは政府の政策緩和措置がまだ実体経済に伝わっていないことを示している。われわれは政府が今後数カ月以内に、特に財政支出拡大を通じて政策支援を強化すると見込んでいる」とした。
生産指数は50.9で、12月の51.4から低下。新規受注指数も49.7から49.3に悪化した。
中国政府は北京冬季五輪を控え、大気汚染対策を強化。北部地域の製鉄所に3月中旬までの減産を指示していた。
一方、財新/マークイットが発表した1月の製造業PMIは49.1と前月の50.9から低下し、2020年2月以来の低水準となった。市場予想は50.4だった。沿岸部の小規模製造業者を中心に調査しており、統計局の調査とは対照的な結果となった。
生産指数は48.4と、12月の52.7から低下。新規受注と輸出受注も落ち込み、雇用指数は約2年ぶりの低水準となった。
財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「12月から1月にかけて、西安や北京を含むいくつかの地域で新型コロナが再拡大したため、地方政府は防疫措置の強化を余儀なくされ、生産、輸送、製造品の販売が制限された」と指摘。「中国経済は、需要の縮小、供給ショック、期待の低迷という3つの圧力にさらされていることがより明らかとなった」と述べた。
統計局が発表した1月の非製造業PMIは51.1と、前月の52.7から低下した。新型コロナの感染拡大で消費者信頼感が悪化した。
製造業と非製造業を合わせた総合PMIは50.1で、12月の52.2から落ち込んだ。