[ダブリン 31日 ロイター] - 欧州格安航空大手ライアンエアのマイケル・オライリー最高経営責任者(CEO)は31日、新型コロナウイルスの新たな変異株出現などによって回復軌道が損なわれなければ、累積需要を背景に今夏の乗客数が過去最多を更新するとの見通しを示した。航空券の価格も上昇すると予想した。
ただ見通しは依然不透明とし、現在は3月までに乗客数をコロナ前水準に戻すために積極的な運賃引き下げを行っていると述べた。決算発表後に投資家に語った。
2021年10─12月期決算は9600万ユーロ(1億0700万ドル)の赤字と、アナリストのコンセンサス予想(1億0100万ユーロの赤字)とほぼ一致した。
今年度(3月31日終了)の見通しは2億5000万─4億5000万ユーロの赤字に据え置いた。
オライリーCEOは、ここ数週間に予約が「非常に強い回復」を見せており、乗客数は1月の600万─700万人から2月には800万─900万人、3月には1100万─1200万人と、コロナ前の同月の水準に急回復する見込みだと語った。
同社は、今夏の輸送能力が19年に比べて14%拡大するとし、23年3月までの来年度の乗客数は1億6500万人と、今年度の1億人弱、コロナ前に記録した過去最多の1億4900万人を上回ると予想している。
オライリー氏は4月のイースター休暇が重要になると指摘。新型コロナ関連の大きな障害がなければ、今夏にかけて力強い回復が見込まれ、航空券の価格設定環境も大きく改善するだろうと述べた。