[ロンドン 3日 ロイター] - ジョンソン英首相が、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)期間中に首相官邸で複数のパーティーに参加していた問題を巡り、政権基盤のほころびが一層進んでいる。3日にはダン・ローゼンフィールド首相首席補佐官、マーティン・レイノルズ個人秘書官ら側近4人が辞任した。このうち3人はパーティー問題の直接的な関係者だ。
この問題を巡って政府の内部調査で「指導力の欠如」を指摘されたジョンソン氏の支持率は低下が続き、与党・保守党議員の一部も辞任を求めている。
さらに同氏の最大野党・労働党のスターマー党首に対する発言が、新たな「炎上」につながった。ジョンソン氏は、スターマー氏が検察庁長官時代に、死亡した後で史上最悪クラスの性犯罪が発覚したテレビ司会者を起訴しなかったと述べ、スターマー氏が虚偽の主張だと激しく反発。野党側だけでなく保守党内からも怒りの声が出始めた。
ジョンソン氏は謝罪を拒否しつつ、3日に発言を撤回した。それでも同氏の下で14年にわたって政策チームの責任者を務めてきたムニラ・ミルザ氏がこの問題で辞任したほか、スナク財務相は苦言を呈した。スナク氏は、ジョンソン氏が謝罪すべきかどうか聞かれると「率直に言って、わたしならそんなことは言わない。首相が自身の発言内容をはっきりさせた点は喜ばしい」と語った。
スナク氏は、ジョンソン氏が退陣した場合、次の首相として最有力候補と目されている。