[ロンドン 6日 ロイター] - ジョンソン英首相が新型コロナウイルスのロックダウン(都市封鎖)期間中に首相官邸で開いた宴会に出席していたことなどで政治的に厳しい立場に立たされている問題で、与党・保守党のイアン・ダンカンスミス元党首は6日、今は政局よりも、インフレに伴う国民の暮らし向き悪化への対応に専念するよう党内に呼び掛けた。
ダンカンスミス氏はBBC放送で、ジョンソン氏はもうこんな窮地に再び追い込まれないように「心から悔い改める」必要があるとしながらも、与党が首相降ろしにうつつを抜かしている時ではないと主張。多くの国民がエネルギー料金と食品価格の高騰に苦しんでおり、これが「最優先課題」だと付け加えた。
その上でダンカンスミス氏は、ジョンソン氏に求められるのは指導力を発揮して政府に規律をもたらし、国民を襲っている生活の危機の解決に注力することだと訴えた。
またクワーテング英民間企業・エネルギー・産業戦略相は、保守党内でジョンソン氏を追い落とそうという動きが近づいているとは思わないと言い切り、かつてジョンソン氏に忠実だった議員の1人が首相退陣は不可避だと発言していることについて聞かれると「彼が目にしている風景は、私には見えない」と述べた。
クワーテング氏は、ジョンソン氏が自らの過ちは「監督不行き届き」だとしている見解を支持。足元でにわかに浮上してきた国民や議会への詐欺行為といった批判は妥当ではないと強調した。