[東京 7日 ロイター] - 塩野義製薬の手代木功社長は7日、開発中の新型コロナウイルスの軽症・中等症向け飲み薬について、早ければ来週にも条件付き早期承認申請を行う考えを示した。年度内に国産のコロナ経口薬が登場する可能性がある。
初期第2相試験(フェーズ2a)では、4日目(3回投与後)に感染性のあるウイルスが検出された人の割合は偽薬(プラセボ群)と比べて約60―80%減少するなど「有意に優れた抗ウイルス効果を示した」(発表資料)という。安全性の面ではほぼ全ての有害事象は軽度であり、副作用も全て軽度だったという。
会見した手代木社長は「非常に良い手応えを感じている。非常に良い薬剤になる可能性が高い」と語った。
一両日中に後期第2相(フェーズ2b)の目標症例数に到達する見通しで、手代木社長は「来週・再来週にはフェーズ2bの結果がまとめられる。安全性や有効性が2aと同様のものならば、速やかに国に申し入れをしたい」と述べた。その上で、最も早く承認が得られる可能性がある「条件付き早期承認申請」を行う考えを示した。
同時に、第3相臨床試験も進めていく。手代木社長は「2月末から3月頭には供給を開始できないか、(規制当局と)話をしている」とした。2月末なら40―50万人分、3月末には100万人分の製造が可能で、主に日本国内へ供給する考えを示した。
岸田文雄首相は7日の衆院予算委員会で、塩野義が開発中の飲み薬について「条件付き早期承認制度」の適用を検討すると述べた。
自民党の甘利明前幹事長が先週、塩野義から治療薬の報告を受け、厚労省を督促中などツイッターに記載したことについて、インサイダー情報の漏洩や厚労省への圧力ではないかとの見方が一部で出ているが、手代木社長は「特別なものを提示したわけではない」と述べた。
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