[国連 7日 ロイター] - 米国は7日に開催された国連安全保障理事会の会合で、北朝鮮に対し、核・弾道ミサイル開発に資金を使うことをやめ、国民のニーズを優先するよう呼び掛けた。ロシアと中国は、対北制裁が北朝鮮の人道的状況の悪化を招いてると主張した。
安保理の2月の議長国であるロシアは制裁を中心議題に据えたが、ワシリー・ネベンジャ国連大使は新型コロナウイルスの検査で陽性が判明したため、この日は議長を務められなかった。外交筋が明らかにした。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、会合で「北朝鮮には国民の暮らしを守る決意を示すよう呼び掛ける。人権を尊重し、違法な大量破壊兵器・弾道ミサイル開発プログラムへの資金使用を停止するほか、ぜい弱な北朝鮮国民のニーズを優先することで決意が示せる」と述べた。
ロシアと中国は昨年11月、北朝鮮の人道的状況を改善する必要があるとして、北朝鮮への国連制裁緩和に動いたが、他の安保理理事国の支持や関与を取り付けられず、採決には至っていない。
ロシアのドミトリー・ポリャンスキー国連次席大使は「安保理が地政学的問題だけでなく、一般の北朝鮮国民を考慮に入れれば、この提案への支持が正当化される」と述べた。
ロシアと中国はまた、国名を挙げずに、単独制裁を批判。中国の張軍国連大使は「狂ったように」制裁を発動している国があるとし、「中毒のように見える」と揶揄(やゆ)した。
トーマスグリーンフィールド大使は、単独制裁を「非合法化」する試みについて懸念していると述べ、米国はそのような主張を完全に拒否すると強調した。