[ロンドン 8日 ロイター] - 英バークレイカードの家計支出調査によると、1月の小売売上高は新型コロナウイルス禍前の2020年1月から7.4%増となったが、伸び率は昨年4月以来最も小幅だった。
オミクロン株による感染の波が燃料の売り上げを直撃したほか、バーやレストランから客足が遠のいた。
回答者の9割が家計と裁量支出に価格上昇の影響があったと感じていた。
イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は、12月のインフレ率は過去30年で最高の5.4%に達し、4月には7%を突破する勢いとの見解を示した。BOEは先週、2カ月連続で利上げを行い、一段の引き上げの公算が大きいとの見通しを示した。
ただ、バークレーカードのコンシューマープロダクト担当責任者、ホセ・カルバロ氏は、今後数カ月に外食への支出を増やすとの回答が多く、接客業界に一定の安心材料を示す兆候が見えてきたと指摘。「プランBの規制解除により、通勤や終業後の飲み会が再開すれば多くの部門が浮揚するだろう。外国人観光客の増加で小売りへの恩恵も出始めるだろう」と述べた。
イングランドでは1月26日、在宅勤務推奨のほか、マスク着用やワクチンパスなどの規則が撤廃された。
一方、英小売協会(BRC)が8日発表した1月の小売売上高は前年同月比11.9%増と、昨年5月以来の伸びとなった。輸送遅延が改善され、家具が特に好調だった。
BRCと共同でデータを収集しているKPMGの英小売り担当トップ、ポール・マーティン氏は、小売り業者は消費者信頼感の好調が続いてコスト上昇を相殺するよう期待していると指摘。「広範囲なマクロ経済状況が家計所得を圧迫し小売り支出が抑制されるレベルになれば、今後数カ月は困難な時期となる可能性がある」と述べた。