[ウェリントン 8日 ロイター] - ニュージーランドのアーダーン首相は8日、今年最初の議会演説で、新型コロナウイルスのパンデミック(感染の世界的大流行)はオミクロン株で終わるわけではないと警告し、ニュージーランドは新たな変異株に備える必要があると述べた。
議会外では、コロナ規制とワクチン義務化に反対して数百人が抗議集会を行った。こうした抗議行動は数カ月余り続いている。
アーダーン首相はライブ中継された演説で、「専門家らは、オミクロン株は今年最後の変異株ではないと助言している。終わりではないが、前進できないことを意味するのではない。進展を続けよう。そして、われわれは続けている」と述べた。
アーダーン政権は過去2年にわたり、ゼロコロナを目指して最も厳格な水準の規制を発動し、感染者も死者も抑制してきた。しかしこの政策は、終わりの見えない自宅での孤立を強いられた人や、国境封鎖で家族から引き離された在外ニュージーランド人数万人の反発を招いたほか、外国人観光客に依存する産業に壊滅的な打撃をもたらした。
先月発表の世論調査では、ワクチン接種と規制緩和の遅れから首相の支持率が急落した。
政府は先週、10月までに段階的に国境を再開すると表明した。
最近一部の社会的距離(ソーシャルディスタンス)措置が緩和された後、オミクロン株の感染は着実に増加。5日に確認された感染者は、1日としては過去最多の243人を記録した。
首相は、ラジオ・ニュージーランドに対し、オミクロン株のピークは3月で、1─3万人の規模になるとの見通しを示した。