[マニラ 8日 ロイター] - 5月に実施されるフィリピン大統領選の選挙戦が8日に始まり、候補者らは、国内経済の再建や汚職撲滅、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の打撃を受けた国民生活の向上といった問題に取り組む姿勢を示した。
各種世論調査では、独裁政権を敷いたマルコス元大統領の長男であるフェルディナンド・マルコス元上院議員が支持率でトップを走る。
マルコス氏は数千人の支持者を前に「目の前の全ての挑戦と困難を乗り越えることができたのは、われわれが団結していたからだ」と述べ、経済危機やコロナ禍を克服するための結束を繰り返し呼び掛けた。
マルコス氏と一緒に壇上に上がったのは、同氏と組んで副大統領選に出馬するドゥテルテ大統領の長女、サラ・ドゥテルテ氏。「われわれは、知恵と豊富な経験を提供できる」と強調した。
現副大統領のレニー・ロブレド氏も有力候補の一人。2016年の副大統領選でマルコス氏を僅差で破ったが、支持率でマルコス氏に遅れを取っている。同氏は歓声を上げる支持者を前に誠実で思いやりのある政治を行うと表明した。
マルコス氏とロブレド氏のほか、マニラ市長のフランシスコ・ドマゴソ氏、パンフィロ・ラクソン上院議員、国民的な人気を誇る元プロボクサーで、上院議員のマニー・パッキャオ氏などが大統領選を争う。
パッキャオ氏は「わたしが大統領に選ばれたら、全ての腐敗した政府高官を刑務所でみることになるだろう」と語り、汚職撲滅への取り組みを強調した。