[シドニー 15日 ロイター] - オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州で15日、人員不足解消と賃上げを巡る政府交渉が決裂したため、看護師と助産婦らが約10年ぶりにストに突入した。
公衆衛生面で問題が生じるとして州当局が中止命令を出したが、150以上の州全土の病院などの職員が参加し、24時間のストに入った。シドニーの州議事堂前に集結した参加者は「疲労困憊、燃え尽きた」、「もっと看護師が要る」などと書かれたプラカードを掲げ、2.5%以上の賃上げと、患者に対する看護師の比率改善を要求した。
NSW州のハザード保健相は地元ラジオで、政府は解決に向け努力しているが、患者に対する看護師比率を改善するには多額のコストがかかると述べた。
昨年11月末以降、新型コロナウイルスのオミクロン株での感染が急増、医療体制を圧迫した。最近は感染者の増加ペースが鈍化、15日昼までに確認された感染者は2万3000人強。入院者数は3000人と、3週間前に記録したピーク時の5400人から減少している。