[ワシントン 15日 ロイター] - イエレン米財務長官は今週開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、途上国での新型コロナウイルス流行を終息に向かわせるための支援を各国に呼び掛ける。打撃を受けやすい途上国経済も公平に回復に向かえるように必要な資金などの確保を目指すという。米財務省当局者が15日明らかにした。
イエレン氏は17─18日にインドネシアが主催するG20財務相・中央銀行総裁会議にオンラインで参加する。
世界の多くの先進国で新型コロナのオミクロン変異株の感染が収まりつつある一方、多くの途上国では依然として感染が拡大している。
開催国のインドネシアでは15日の新規感染者が過去最多の5万7049人となった。
先の当局者によると、イエレン氏はG20会議で、誰も取り残されることのない回復を目指し、低所得国のワクチンへのアクセスを改善するように、個々の国の状況に合わせたG20の対応を呼び掛ける予定。
それには、新型コロナのワクチンや治療、診断を提供する上での世界的な障害を解消するための世界銀行や国際通貨基金(IMF)、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)による支援が含まれるという。
イエレン氏は、世銀による感染予防向け国際基金への資金拠出もG20に呼び掛ける。
このほか、世界共通の法人税の最低税率を15%に設定する国際課税ルールについては、合意した136カ国・地域で年内の批准に向けた勢いが維持されており、2023年に導入可能だと自信を示す見通し。
先の当局者は、米議会の民主党は国際課税ルールをおおむね支持していると説明。イエレン氏は気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」の一部に組み込まれると考えているという。
イエレン氏はまた、脱炭素への民間資本の利用を含め、炭素排出削減目標の達成に向けたより積極的な気候変動対策をG20各国に求める意向だ。