[オタワ 21日 ロイター] - カナダ議会は21日、新型コロナウイルス対策への抗議行動に対処するためにトルドー首相が打ち出した緊急権限の発動を賛成多数で承認した。
採決の結果は185対151で、少数与党の自由党は左派の新民主党の支持を得た。
これに先立ちトルドー首相は、トラック運転手らが数日中に再びデモを実施する可能性があるとして、政府は緊急権限を維持する必要があるとの見解を示していた。
テレビ放送された記者会見で、首都オタワの周辺にトラック運転手らが再び集結している兆候があり、3週間にわたって首都中心部を封鎖したデモを再開する可能性があると指摘した。
デモは米国との国境を越えて移動するトラック運転手を中心にワクチン接種義務に対する抗議活動として始まったが、トルドー政権全般への抗議に発展した。
トルドー首相は「非常事態は終わっていない。今後数日に関して実際の懸念がある」と述べた。
首相は14日、トラック運転手らのデモに対処するため、政府の緊急権限を発動した。
デモ隊による首都中心部の占拠は、警察当局が排除に乗り出したことで20日にはほぼ解消された。
しかし、トルドー首相は「国民生活を混乱させる不法占拠を続ける兆候が見られている。われわれは、この権限を維持する必要があると感じている」 と述べた。
一部の野党議員はトルドー首相が権限を乱用していると非難している。
反対票を投じた緑の党のマイク・モーリス議員は、緊急権限の発動は取り締まりの失敗に対する「不適切な」対応だと批判し「今後の抗議行動にとって懸念すべき前例になる」と述べた。