[23日 ロイター] - 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)1年目に妊娠中または出産直後に黒人女性が死亡した確率が白人女性の3倍近かったことが、23日公表の米国立衛生統計センター(NCHS)のリポートで分かった。
パンデミックが発生した2020年の妊婦全体の死亡は、前年の754人から14%増の861人。黒人妊婦の死亡は白人妊婦の2.9倍で、18年と19年の2.5倍から上昇した。
20年に妊娠中または出産直後に死亡した女性の約3分の1が黒人女性。黒人が全米の人口に占める割合は13%強だという。
年齢も死亡リスクと大きく関連しており、40歳以上の女性の死亡率は25歳未満の約8倍に達した。
一方、昨年公表された国際的な統計分析によると、コロナパンデミック中の死産と母体死は約3分の1増加。母体と赤ちゃんの状態ともに世界的に悪化した。
この分析は世界17カ国から40の研究結果によるもの。それによると、新型コロナ感染抑制のためのロックダウン(都市封鎖)や産院施設での受診困難、医療施設への来院懸念も妊娠リスクを押し上げ、全般的な事態悪化につながったとみられている。