[キエフ/ハリコフ 2日 ロイター] - ロシアのウクライナ侵攻から1週間となる中、ウクライナ第2の都市ハリコフは2日、ロシア軍による激しい砲撃で市中心部の建物が破壊されるなどし、大きな被害が出た。
国連総会は、ロシアのウクライナ侵攻を非難し、軍の即時撤退をロシア政府に求める決議を賛成多数で採択。また、40近い国々が国際刑事裁判所(ICC)にロシアによる戦争犯罪の捜査を要請し、ICC検察官は直ちに捜査を開始する方針を示した。
<南部ヘルソン制圧か>
ロシア国防省は2日、同国軍がウクライナ南部のヘルソンを支配下に置いたと発表した。
ウクライナは当初これを否定していたが、ヘルソンの市長は2日遅く、ロシア軍が市庁舎に入ったと明らかにした。
首都キエフでは、数千人の女性や子どもの避難所となっている鉄道駅で夜間に爆発が発生。内務省顧問によると、爆発は直接のロケット弾攻撃ではなく、撃墜されたロシアの巡航ミサイルの残骸によって起きたという。現時点で負傷者の報告はない。
こうした中、ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は2日、ロイターに対し、ウクライナの代表団がロシアとの2回目の停戦交渉に向け出発したとロイターに述べた。
<死傷者・難民増加>
国連の推計によると、ウクライナからこれまでに87万人以上が近隣国に避難したとみられる。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、ロシアの侵攻開始後、3月1日深夜までにウクライナで民間人227人の死者、525人の負傷者が確認されたと明らかにした。その上で、報告に遅れがあることから、実際の死傷者ははるかに多いとの見方を示した。
ロシア国防省は、ウクライナでの軍事作戦でこれまでにロシア軍兵士498人が死亡、1597人が負傷したと明らかにした。ロシアが自国兵士の死傷者を発表するのは初めて。
一方、ウクライナ側は7000人以上のロシア軍兵士が死亡し、数百人が捕虜になっているとしている。
両国が発表している数字は独自に確認できていない。