[香港 4日 ロイター] - 香港最大の消費者向け小売チェーン2社は4日、新型コロナウイルスの感染者が急増し、香港全体が封鎖される恐れがある中、この1週間の買いだめ騒動を抑えるため、一部の食品と医薬品を対象に販売制限を導入した。
香港メディアによると、スーパーマーケット「パークンショップ(百佳超級市場)」は、コメ、缶詰、トイレットペーパーなどの必需品を1人5点までにすると発表したほか、ドラッグストア「ワトソンズ(屈臣氏)」は、痛み、熱、風邪の薬に同じ制限を設けた。
両チェーンともに香港上場の複合企業である長江和記実業(CKハチソン)の傘下部門。
香港当局は今週、供給は十分だとして、パニック買いに走らないよう市民に繰り返し呼び掛けている。
香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はこれまで、「完全なロックダウン(都市封鎖)」計画はないとしつつ、香港に居住する740万人に対する強制検査を計画していると表明。計画がまとまり次第、詳細を発表するとしている。はっきりしないメッセージに市民の不満が高まっている。
当局は、3日に過去最多となる5万6827人の新規感染者と144人の死者が確認されたと発表。新規感染者は2月初めの約100人から急激に増加している。