[香港 9日 ロイター] - 香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は9日、高齢者に的を絞った新型コロナウイルス対策を発表した。香港では高齢者のワクチン接種が進んでおらず、介護施設で感染者や死者が急増している。
行政長官は記者会見で、高齢者に医療資源を集中させ、高齢のコロナ患者向けの隔離施設や一時的な療養施設を増設する方針を表明した。
月内にも開始が見込まれる大規模な強制検査については、日程は検討中で最終決定はしていないとした。
香港では現在、コロナ感染が爆発的に拡大しており、累計の感染者数は50万人を突破、死亡者数は2500人を上回った。香港大学の医療専門家たちは、感染者数は4月末までに430万人程度に達し、死者は5000人に上ると試算している。香港の人口はおよそ740万人。
市民全体ではワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は90.5%前後だが、80歳以上ではこの割合が約50%にとどまっている。