[上海 29日 ロイター] - 中国の大手銀行3行は、今年国内の金融機関は、新型コロナウイルスの感染拡大や世界の政治情勢の影響、国内不動産業界の混乱など複数の逆風に直面するとの見方を示した。
資産規模で国内第2位の中国建設銀行は29日、中国の銀行業界は「より複雑で厳しいビジネス環境」に直面していると明らかにした。
4位の中国銀行も29日、「世界的な疫病が再発し、先進国の緩和策が解除され、地政学的な対立が激化する」としている。
中国交通銀行トップは18日、今年は満足できる収益を上げるのは難しいとの見方を示した。
中国では複数都市で新型コロナの感染が再拡大し、部分的もしくは全面的なロックダウン(都市封鎖)措置が導入されている。アナリストはコロナ関連規制が景気の足かせになると指摘する。
ムーディーズの銀行業界アナリスト、ニコラス・ズー氏は、銀行への主な影響は「サービス業における滞納の増加だ」と指摘し、卸売や小売、娯楽や旅行など消費関連のサービス業で支払い遅延が増えるとの見方を示した。