[マニラ 21日 ロイター] - 世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は21日、世界の旅行・観光部門は2023年に新型コロナウイルス禍前の水準に回復し、世界全体の国内総生産(GDP)を上回るペースで伸びるとの見通しを示した。マニラで行われた業界会合でリポートを発表した。
リポートは、旅行・観光業界の22─32年の年平均成長ペースは5.8%で、世界GDP伸び率の2.7%を上回り、1億2600万人の新規雇用が生み出されるとの予想を示した。旅行観光部門のGDPは、今年が8兆3500億ドル、来年が9兆6000億ドルと、コロナ禍前の水準になるとみられている。
19年に観光部門のGDPと雇用が世界全体に占めた割合は10%だったが、コロナ禍で壊滅状態となって生産価値は半減し、6200万人の雇用が失われた。
WTTCのジュリア・シンプソン最高経営責任者(CEO)は、「非常に力強い回復になりそうだが、もちろん中国の国境再開次第になる」と述べ、全ての国に国境再開を呼び掛けた。
中国のゼロコロナ政策と断続的な封鎖は、世界貿易と国内外の旅行に混乱をもたらしている。