[上海 24日 ロイター] - 中国・上海市の当局は、新型コロナウイルス感染者が見つかり封鎖対象に指定された集合住宅などの周囲に、緑色の金属製フェンスを設置し住民の外出を規制している。交流サイト(SNS)では防護服の市職員がフェンスを設ける動画が出回り、住民の不満が噴出している。
一方、首都北京で23日に新規感染者22人が報告されたことを受け、市内最大の行政区、朝陽区は区在勤・在住者に今週、3回のコロナ検査を受けるよう要請し、10数軒の建物を封鎖すると表明した。
上海当局がフェンス設置を決めた理由は不明。ネット上に投稿されたある地区当局の23日付の通知は、一部区域を「厳重に隔離」するとした。ネット上に投稿された動画や通知の真偽は確認できていないが、ロイターの記者は24日に市中心部で緑のフェンスを見た。
SNS「微博(ウェイボー)」の利用者は「家畜のように金属製フェンスで囲うのは、中にいる人たちの権利を全く無視している」と批判した。
上海で23日に報告されたコロナによる死者は39人と、前日の12人から増え、今回の感染拡大局面で最も多かった。新たな無症状感染者は1万9657人。前日は2万0634人だった。有症状者は1401人で、前日の2736人から減少した。