[北京 26日 ロイター] - 中国北京市は、新型コロナウイルスの大規模検査を大半の地区に拡大した。市の人口約2200万人のうち約2000万人に検査を行うことになる。
住民の間ではロックダウン(都市封鎖)への警戒感が高まっており、スーパーマーケットでは食料品や日用品を買い込む多くの人の姿が見られる。
北京市は25日に最大行政区の朝陽区で全住民の検査を開始したばかりだが、同日夜には他の10地区と経済開発区にも拡大することを決定。26日には一部のジムや劇場、観光施設などの閉鎖も始めた。
新たに検査対象となるのは東城区、西城区、海淀区、豊台区、石景山区、房山区、通州区、順義区、昌平区、大興区と北京経済技術開発区。26─30日に3回のPCR検査を行う。
保健当局の26日の発表によると、市内で25日に報告された新規感染者は33人で、このうち症状があるのは32人。
北京市はここ数日で数十人の感染が確認されたのを受けて住民の検査を決定。一方、上海市は感染拡大開始から約1カ月経って感染者が1000人を超えた段階になって大規模検査を開始した。
北京の現在の感染者は世界的に見れば少ないが、上海のようなロックダウンが同市でも実施されれば、中国経済の見通しは一段と不透明になる。
在中国欧州連合(EU)商工会議所のヨルグ・ブトケ会長は、上海の事例から学んだ教訓として「完全封鎖の道を進めば、コストが極めて高いだけでなく、経済的に打撃が大きく、社会構造をも圧迫する」と語った。