[5日 ロイター] - 米国で行われた大規模な研究で、新型コロナウイルス・オミクロン株には本来、以前の変異株と同様の重症化リスクがあるという見解が示された。オミクロン株は他の変異株と比べて感染力が高いものの、重症化リスクは低いとする他の研究と矛盾する結果となる。
研究はオミクロン株感染の流行期と他の変異株が広がっていた過去2年間の「入院と死亡のリスクが、ほぼ同じであることが分かった」としている。査読前論文の形で、2日にリサーチ・スクエアに掲載された。
マサチューセッツ総合病院、ミネルバ大学、ハーバード大学医学大学院の執筆者らは、査読が完了していないとしてコメントを控えた。
専門家は、この研究がワクチン接種の重要性を示していると指摘する。オミクロン株拡大期には接種が進んでいたことから、入院や死亡が比較的少なくなっている。
研究に参加していないイエール大学医学大学院のアージュン・ベンカテシュ博士は、コロナ患者13万人の記録に基づく同研究について、ユニークで「かなり強力」だと指摘。以前の研究のように死亡や入院の数を見るだけでなく、ワクチン接種の状況や医学的な危険因子を考慮し、類似のグループを比較していると述べた。