[上海 10日 ロイター] - 中国の医療専門家らは、新型コロナウイルスを封じ込める同国の「ゼロコロナ」政策について、パンデミック(世界的大流行)に打ち勝ち、ワクチン接種率の向上や新たな治療開発の時間を稼ぐために依然として必要との見解を示した。
上海市当局のコロナ対策アドバイザーを含む医療専門家らは6日、英医学誌ランセットに掲載された文書で、中国経済の中心である上海は他の都市・地域との往来が盛んなため、ウイルスが他地域に広がれば想像できないほど深刻な結果を招く可能性があるとし、ロックダウン(都市封鎖)は不可避だったと指摘した。
また、60歳以上の国民約4900万人がワクチン未接種だとし、上海の「ダイナミック」ゼロコロナ政策が各地住民の免疫防御の弱点を克服することになるとした。
これとは別に、中国疾病予防管理センターの刊行物に掲載され、政府の上級医療顧問が共同執筆した論評でも、中国のダイナミックゼロコロナ戦略は貴重な時間を稼いだとし、この好機を生かして治療薬やワクチンをさらに開発する必要があると強調した。