[北京 28日 ロイター] - 28日に6日間の訪中日程を終えたバチェレ国連人権高等弁務官は、中国政府に対し、対テロ政策を国際人権基準に適合させるよう求めたと述べた。
一方で、新疆ウイグル自治区を含む今回の訪問は、中国の人権政策への調査ではなく、政府との対話の機会だったと強調した。
国連人権高等弁務官の訪中は17年ぶり。23日に広州から開始した。中国政府による新型コロナウイルス対策のため、外国メディアの同行はできず、バチェレ氏への取材は制限された。
バチェレ氏は28日、オンライン記者会見で「テロ対策と脱急進化措置の広範な展開について、特にウイグル人ら少数派の権利への影響について疑問と懸念を提起した」と述べた。
また、香港で活動家、弁護士、ジャーナリストが拘束されていることについても「深く憂慮する」と語った。
中国は新疆での虐待に関する訴えを全て否定している。
ブリンケン米国務長官は同日、バチェレ氏の中国訪問について「中国当局が訪問に課した条件が、ジェノサイド(大量虐殺)や人道に対する罪が進行中の新疆を含む中国の人権環境の完全かつ独立した評価を可能にしなかったことを懸念している」とする声明を出した。