[東京 1日 ロイター] - 国税庁が1日発表した2022年分の路線価(1月1日時点)は、全国平均で前年比0.5%上昇し、2年ぶりにプラスに転じた。新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され全体的な回復につながった。
47都道府県のうち上昇したのは20都道府県で、昨年の7道県から3倍近く増えた。一方、下落は27県で、昨年の39都府県から減少した。最も上昇率が高かった北海道は前年比4.0%上昇し、昨年の1.0%から上げ幅が拡大した。再開発事業が進む地域などで値上がりがみられた。
都道府県庁所在地の最高路線価をみると、上昇したのは15都市となり、21年の8都市から2倍近くになった。下落したのは16都市で、昨年の22都市から減少。横ばいは16都市。
路線価のトップは37年連続で東京都中央区の銀座中央通りで、1平方メートル当たり4224万円。ただ、前年から1.1%下落し、2年連続のマイナスとなった。国内客による人流は回復傾向にあるが、外国人観光客の需要の戻りが鈍いことが背景。上昇率が最も大きかったのは千葉県中央区の千葉駅前大通りで前年比5.1%と昨年の3.5%から上昇幅が拡大した。千葉駅周辺の再開発により上昇した。
路線価は、相続税や贈与税の税額算定の基準となる。毎年1月1日を評価時点とし1年間の地価変動などを考慮し、国土交通省の地価公示価格等を基にした時価の80%程度で算定している。
2020年は、コロナの影響により大阪市の一部で大幅な地価下落が確認されたため、路線価の減額補正を行った。昨年は、大幅な地価の下落はなかったため、路線価の減額補正は実施しなかった。今年は、現時点で減額補正を検討する予定はない。
= 都道府県庁所在地都市の最高路線価 =
(1平方メートル当たり、単位万円、カッコ内は前年比上昇率)
1:東京都中央区銀座5丁目 銀座中央通り 4224(ー1.1%)
2:大阪市北区角田町 御堂筋 1896(ー4.0%)
3:横浜市西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り 1656(3.0%)
4:名古屋市中村区名駅1丁目 名駅通り 1248(1.3%)
5:福岡市中央区天神2丁目 渡辺通り 880(0.0%)