[シンガポール 12日 ロイター] - アジア時間12日の原油先物は1%超下落。最大の原油輸入国である中国で新型コロナウイルス関連規制が強化されたことや世界的なリセッション(景気後退)懸念が燃料需要の見通しを暗くしている。
0057GMT(日本時間午前9時57分)時点で北海ブレント先物9月限は1.47ドル(1.4%)安の1バレル=105.63ドル。
米WTI先物8月限は1.59ドル(1.5%)安の102.50ドル。
ユーラシア・グループのアナリストはノートで「需給バランスは依然不安定なものの、リセッション懸念と中国での需要低迷が原油価格を押し下げている」と指摘した。
中国の複数都市で新たなコロナ規制が導入される中、最も人口の多い上海市では今週、オミクロン変異株の新たな亜種「BA.5.2.1」が検出されたことを受け、先週に続いて集団検査が予定されている。
一方、供給面ではロシアのウクライナ侵攻に伴う欧米の制裁がロシア産原油・ガスの供給に与える影響が懸念されている。
ロシアの控訴裁判所は11日、カザフスタンから黒海に原油を輸送する「カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)」に操業一時停止を命じた地裁の判決を覆した。世界的な供給不足への懸念が和らいだが、市場は警戒を続けている。
また、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は11日、バイデン大統領が中東歴訪で石油輸出国機構(OPEC)加盟国に原油増産を要請すると語った。
ユーラシア・グループは、サウジアラビアは原油市場の管理にコミットし、緊急用に余剰生産能力を残しておくことを優先するため、目先の大幅増産は見込めないとの見方を示した。