[東京 13日 ロイター] - 松野博一官房長官は13日午後の会見で、新型コロナウイルスの感染法上の位置づけについて、2類相当から5類への変更は「現実的でない」との見解を示した。
松野官房長官は、専門家らは新型コロナウイルスについて、オミクロン株であっても致死率や重症化率がインフルエンザより高くさらなる変異の可能性も指摘しており、「最大限の警戒局面にある現時点で、5類に変更することは現実的ではないと考えている」と述べた。
一部の自治体関係者からは5類への変更を求める声が出ているが、官房長官の発言は、こうした意見を受け入れない立場を明確にしたと言える。
感染症法上では、2類とされた疾病は入院勧告や就業制限、保健所への届け出などが要請され、医療費は公的負担となる。新型コロナは「新型インフルエンザ等感染症」に該当するとされ、規制は2類相当となっている。
5類に変更となった場合、一般のインフルエンザと同等の扱いとなり、上記の制限は課されないが、治療費の公費負担はなくなる。
一方、東京電力福島第1原発事故を巡り旧経営陣に賠償が命じられた判決については、松野長官は「個別の訴訟における判決であり、コメントは差し控える」と述べた。
その上で「安全神話に陥って悲惨な事故を防ぐことができなかったという反省を一時たりとも忘れることなく、いかなる事情よりも安全性を優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げていく」と述べた。
原発の再稼働に関しては、原子力規制委員会の新規制基準に適合すると認めた場合に「その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めていく」と述べ、従来の見解を繰り返した。
東京地裁は13日、東電福島第1原発事故を巡って旧経営陣5人を相手取った株主代表訴訟で、4人に計13兆円余りの支払いを命じた。