[ソウル 18日 ロイター] - 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、近隣のアジア諸国が新型コロナウイルス変異株オミクロンの派生型を中心とした新たな感染の波に見舞われる中、国内で最初に確認された感染者に端を発した危機が「ようやく打開」に近づいていると伝えた。
北朝鮮は4月下旬以降に報告された発熱患者477万人のうち99.98%が完全に回復したとしているが、検査が不足しているとみられ陽性反応を示した人数は発表していない。
KCNAは「防疫対策が改善され、ようやく危機を完全に打開する見通しだ」とした。また国内で新たに310人の発熱者が報告されたと伝えた。
世界保健機関(WHO)は先月、独立したデータがない中、北朝鮮の感染状況について悪化しているとの見解を示し、改善しているという同国の主張に疑問を呈した。
世宗研究所(韓国)の北朝鮮研究センター長、チョン・ソンチャン氏は、北朝鮮の危機打開に関する宣言はコロナのパンデミック(世界的大流行)で長期にわたり妨げられてきた貿易回復への準備段階の可能性があると指摘。「現在の傾向からすると北朝鮮は今後1カ月足らずでコロナ危機が終わったと発表する可能性がある」と述べた。