[アムステルダム 18日 ロイター] - オランダの銀行大手INGは18日、欧州における公共輸送機関の利用の平均は新型コロナウイルス禍前の水準を下回っているとするリポートを発表した。
リポートは今年第2・四半期の動向をもとにして作成された。共同作成者であるINGのシニアエコノミスト、リコ・ルーマン氏は「コロナ禍後、通勤は一変した。在宅勤務の増加が数字に示された」と述べた。
コロナ禍前に比べて利用が最も減少したのは英国の21%、以下オランダ、ベルギー、イタリア、スペインなどとなった。
英国とオランダはサービス部門の規模が比較的大きく、輸送機関の利用が最も鈍いという。特にロンドンなど人口密度の高い地域でも、全国平均を下回る利用状況となった。
一方、フランスでは利用が9%増加。政府が鉄道で代替可能な場合の国内航空便利用を禁止したことと、在宅勤務受け入れがより少ないなど文化的な要因が作用している可能性があるとリポートは指摘した。
ドイツでも利用が8%増加。9ユーロ(ドル)の1日乗り放題チケットなど、政府が鉄道利用に補助金を出した。
リポートは「移動が変容しており、英国やオランダなどの国では公共輸送機関利用の回復に時間がかかる」と予想。コロナ後の公共輸送機関におけるシナリオはなお、「新たな感染の波や社会的距離(ソーシャルディスタンス)政策に敏感になる」と予想した。