[28日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーは28日、新型コロナウイルスワクチンと経口治療薬の通年の売上高見通しを約540億ドルで据え置いた。第2・四半期の好決算にもかかわらず見通しが上方修正されなかったことから、株価は一時5%近く下落した。
第2・四半期は、経口治療薬「パクスロビド」やワクチンに対する需要が引き続き堅調で、利益が市場予想を上回った。
利益は99億1000万ドルと、前年同期の55億6000万ドルから増加。 特別項目を除く1株当たり利益は2.04ドルで、市場予想の1.78ドルを上回った。
パクスロビドの売上高は81億ドル。市場予想は70億ドルだった。コロナワクチンの売り上げも20%急増した。
全体の売上高は277億4000万ドルで、市場予想の257億4000万ドルを上回った。
同社はドル高の影響を理由に挙げ、通年の売上高見通しを980億─1020億ドルで維持した。
コロナワクチンとパクスロビドへの需要の持続性についてアナリストの見方は分かれており、ファイザーの長期的な成長を懸念する声も一部で出ている。株価は1.6%安で引けた。
シティのアナリスト、アンドリュー・バウム氏は、乳がん治療薬など重要医薬品の売上高は市場予想を下回っており、コロナ関連事業を除くとそれほど好調ではないと指摘。
JPモルガンのアナリスト、クリス・ショット氏は調査ノートで、予想を上回る業績を上げるためには新薬開発で結果を出せるかどうかが重要になっていると分析した。