[4日 ロイター] - 海外投資家は7月に中国株売り越しに転じた。新型コロナウイルス感染拡大、それに伴うロックダウン(都市封鎖)の経済への影響が懸念され7月の株式市場は大幅に下落した。
リフィニティブのデータによると、本土市場と香港市場間の相互取引制度(ストック・コネクト)で海外投資家は本土株を210億7000万元(31億2000万ドル)相当売り越した。内訳は上海株が118億元、深セン株が92億7000万元を売り越した。
6月まで3カ月間は計954億5000万元が中国株に投じられていた。
コロナ再流行で製造業の景況感は悪化。国家統計局の7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は改善と悪化の分かれ目を下回った。加えて、不動産業界の債務問題への懸念も再燃した。
主要株価指数のCSI300指数は7月に7%下落した。
BofA証券の中国株ストラテジスト、ウィニー・ウー氏は、中国企業の米上場廃止懸念の再燃や地政学的緊張が高まりも資金フローに影響したと指摘した。
海外投資家は8月に入っても、ペロシ米下院議長の台湾訪問を巡る米中緊張を背景にすでに約9億6200万元相当の中国株を売却している。
しかしHSBCのアジア太平洋株戦略責任者ヘラルド・ファンデアリンデ氏は中国株をオーバーウエートと評価。
「中国政府は政策をリスク排除型から成長促進型に転換させた。不動産業界支援を狙った基金設立などの政策が、投資家ムードを好転させる」と指摘。「海外機関投資家は総じて中国株をアンダーウエートにしており、改善が見られれば持ち高を増やす余地は十分ある」との見方を示した。
一方、中国の投資家は7月にストックコネクト経由で約4億500万ドル相当の香港株を買い越した。これは11月以降で最小だった。