[東京 18日 ロイター] - 8月のロイター企業調査によると、ポストコロナで「人手不足」が生じていると回答した企業が54%と半数を超えた。特に「石油・窯業」、「建設・不動産」、「サービス・その他」の3業種で7割を超すなど、人材確保が難しくなっている。企業はデジタル化など省力化の推進や通年採用、賃金引き上げ、定年延長などの対策を講じているが、対応には限界があるとの指摘も出ている。
調査期間は8月2日から8月12日。発送社数は495、回答社数は245だった。
人手不足が生じていると回答した企業は「石油・窯業」で75%、「サービス・その他」で72%、「建設・不動産」で70%と3業種で70%を超えた。企業からは「採用活動を行っているが思うように人が集まらない」(金属)、「働く人の職業観の変化が根底にあり、現場仕事は人材確保が困難」(小売)との声があった。
企業は省力化や賃金引き上げなどの労働環境の整備、定年後の高齢者の継続雇用など様々な工夫をして人材確保に取り組んでいる。
「人手不足も職種、地域によって差異がある。目先は賃金ベースの引き上げ、中期的には省力化推進とともに働きやすさ(環境・本質的意義)を高めることに注力する」(窯業)、「フレックス・在宅勤務など柔軟な働き方制度の導入、フリーアドレス化含めたオフィスリニューアルによる就業環境の向上」(電機)、「中途社員の積極的採用」(不動産)などの声が聞かれた。
ただ、「何もできていない」(卸売)、「店舗系はほとんど人が集まらない状態。賃金の引き上げで対応しているが限界がある」(小売)などの声も多く、「非正規雇用者の採用増」(化学)に頼る動きも出ている。
(清水律子 グラフィック作成:照井裕子 編集:石田仁志)