[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米ニューヨーク州会計検査院が30日に公表した報告書によると、ニューヨーク市にある金融業界の中心地ウォール街の金融機関で働く従業員が受け取った2022年の賞与は平均で17万6700ドルとなり、記録的な高水準だった21年から26%減った。
経済環境の悪化と金融市場の停滞で22年の銀行の利益が圧迫されたのが要因。
会計検査官のトーマス・ディナポリ氏は「26%減ったことで、平均賞与は金融機関の従業員が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前に受け取った額に近づいた」と述べた。
ニューヨーク市の証券業界従業員が22年に受け取った賞与総額(例年12月から翌年3月に支給)は21%減の337億ドルと21年の427億ドルを大幅に下回り、減少幅は世界金融危機以来の大きさとなった。
22年の市内の証券業界の雇用者数は約19万0800人と20年超ぶりの高水準だったが、ピークの2000年と比べると5.1%少なかった。
ディナポリ氏の推定では、市内で働く11人に1人が証券業界に直接または間接的に関与している。
22年のニューヨーク市の証券業界の賞与に関してディナポリ氏は、州の所得税収入が前年より4億5700万ドル、市の税収が2億0800万ドル、それぞれ減少する可能性が高いとの試算を示した。