David Milliken
[ロンドン 19日 ロイター] - シンクタンクのレゾリューション財団は19日、英政府は将来的にイングランド銀行(英中銀、BOE)の物価上昇率目標を現行の前年比2%から3%に引き上げ、景気悪化局面での政策対応余地を広げるとともに、財政負担の軽減を図るべきだとの見解を示した。
同財団によると、物価目標の引き上げによってより高い名目金利を容認できるようになり、景気が悪化した際に引き下げる「のりしろ」が大きくなる。
併せてBOEが金利をマイナス1%まで引き下げる意欲を持つことで、危機における金利操作による景気刺激策が厚みを増し、政府による借り入れやBOEによる債券購入の必要性が低下するという。
BOEのエコノミストを務めた経験を持つジェームズ・スミス調査部長は「BOEは金利を小幅なマイナスまで引き下げられるようにして、3%の物価目標に移行する措置を講じ、金融政策の遂行能力を高める必要がある」と述べた。
ただ同財団は、信認が損なわれないようにするために物価目標の修正はBOEが現在の目標である2%を達成してから行うべきだと提言した。
物価目標見直し作業は、来年実施が見込まれている総選挙後となりそうだ。