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欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、イタリア大手銀救済の行方を注視

発行済 2016-12-27 18:15
更新済 2016-12-27 18:33
欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、イタリア大手銀救済の行方を注視
今日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を想定する。
米経済指標が堅調なら来年の利上げ加速期待を背景としたドル買いが入ろう。
ただ、イタリア大手銀の救済については不透明感が広がっており、警戒感の高まりに伴う円買いには警戒したい。


今晩は24時に発表される米12月消費者信頼感指数に注目する。
市場では108.5と2007年以来の高い水準が予想されており、2017年以降の利上げペース加速を後押しする材料として期待されている。
ただ、前週末に発表された7-9月期米国内総生産(GDP)確報値は、同改定値から上方修正されたが、11月個人消費支出(PCE)価格指数コアは4カ月ぶりに伸びが鈍化。
ある市場筋は「米国の個人消費は今後も継続的に経済をけん引していけるのか、見極めが必要」と指摘する。
消費者信頼感指数が予想下振れなら、ドルの上昇は小幅にとどまるかもしれない。


一方、経営難に陥っているイタリア大手、モンテ・パスキ銀行に対する支援をめぐり、イタリア政府と欧州連合(EU)との間に思惑の違いが生じたことに警戒感が広がっている。
同行へのイタリア政府による救済決定で、欧州金融不安はいったん後退。
米格付会社ムーディーズは「他の金融機関に対する波及的な影響を食い止める効果」と評価した。
しかし、支援策の今後の行方については懸念が再燃しており、足元ではユーロ売り要因となっているようだ。
さらに不透明感が増す事態となればリスク回避的な円買いに振れるだろう。

ドル・円に関しては、英国やカナダがクリスマスの振替休日による休場のため、引き続き薄商いとなろう。
積極的な売り買いは手控えられる見通しで、117円台のレンジ取引が予想される。
欧州金融不安などが広がれば116円台に下落する可能性はあるが、その水準では押し目買いが見込まれており、今晩もドルの極端な下げは想定しにくい。



【今日の欧米市場の予定】
・23:00 米・10月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数(前年比予想:+5.00%、9
月:+5.08%)
・24:00 米・12月消費者信頼感指数(予想:108.5、10月:107.1)
・24:00 米・12月リッチモンド連銀製造業指数(予想:5、11月:4)


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